▽20000207c
#日記
ってことで, 「アイアンマウンテン報告」 を読了してしまった. どういう本かというと,元々はベトナム戦争時代に書かれたもので, 「東西の戦争が終結し世界が全面的に平和状態となった場合, これまで戦争というシステムにより構築された経済その他への波及効果がなくなる事により, どういう問題が発生するか」を突き詰めていったもので, 結論として「戦争システムを完全に代替する手段は存在しない. 全面平和は,人類(特に合衆国)にとって,最大利益をもたらさない」 という意見が提示される.
煽りの部分に「全米を震撼させた問題の書」とか書いてあって, さぞかしスゴい事を書いてあるのかとおもったんだけど, 読んでみると,割と普通の事が書かれている気がする.
よーするに,社会がどう動くかってのと自分がどうするかってのを, 別の物として考えられない人が文句をつけるのだろうな. 「そんなに戦争がしたければ,まず自分が前線で散ってこい」とか言って. 「社会には戦争が必要」ってのと「特定個人が前線に出るかどうか」ってのは, 明らかにレイヤが異なるものだから, それを混同した文句なんて,天然でもわざとでも,付き合っていられんというものだ.
さてさて.実際のところ, 自分(および自分と関係ある人々(およびそれと関係ある人々))に無関係な他人が死ぬ事で, 社会全体(死ぬ奴以外)の最大利益が確保されるとしたら, それに絶対に賛成しない(あくまでも誰かが死ぬことを認めない)人って, どれくらいいるものだろーかね. アンケートなんか取ったら, みんな善人面で「戦争反対」とか書くだろうから, 正確な割合は調べようがないかもしれんねぇ.