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アレ

  ▽20020130b #日記

 仕事中の IRC(ぉ でちょっと話題に上った, S15 シルビア生産終了のお話

 インテグラの販売のほとんどを Type R が占めていたそうなので, まさにシルビアと同じような客層といえるだろうなー.

 でもシルビアは廃止になり,インテグラはモデルチェンジした. これはまぁ単純に「日産は経営危機・ホンダは新型車が売れまくり」 といった問題によるものも多いだろうと思うけど, そもそも何故この時期に生産終了になるかってーと, まぁ単に売れてないからってのがおおきな理由ではあるが, シルビアのターボエンジンは平成 12年度の排ガス規制をクリアできないからだ.

 この排ガス規制が決まった時,「現行車のうち規制をクリアできないクルマはあと 2年は売っていい」 というルールになった.でもってそれが今年,平成 14年の 8月までということだ. この「2年」というのもどういう理由で決まったのか不明な数字. 昔はほとんどのクルマが「2年でマイチェン・4年でフルモデルチェンジ」だったので, 2年の猶予があれば「血を入れ替える」チャンスがほとんどのクルマにあったんだけど, 最近じゃモデルライフが 6年なんてザラなわけで,ここは 3年くらいは欲しかったところだよなぁ.

 で,実はターボだから規制をクリアできないなんてことは全くなくて, インプレッサなんかはターボで 280ps で排ガス規制クリアしてたりする. 要はコストの問題で,確かに元から性能の良いホンダエンジンは規制クリアにかかるコストも低いだろうが, シルビアの SR20DET だってコストをかければ規制クリアできるはずだ.

 そこで問題になるのが,「シルビアのエンジンを金かけて変更しても, それを使うのはシルビアだけ」という点だ. 現在,シルビアが使っている「縦置き SR20DET」は,シルビア以外で使われていない. つまりこれを改良するのは他のエンジンとは訳が違うコストがかかる作業なのだな.

 すると考えられるのは「他のクルマで使っているエンジンを流用」だ. 実際,プリメーラで使っている SR20VE を載せる案もあったらしいが,これもボツ. 横置きエンジンを縦置きにコンバートするコストもバカにならない. それでシルビアが飛ぶように売れるならまだしも,月販 500台もいかないクルマでは...

 では他の縦置きエンジンを載せるのは?  日産でも直 6 の RB や V6 の VQ なんかは縦置きでも使っている. しかし RB は 縦置き SR と同じくらい消滅を免れないエンジンだ. VQ は,載せれば載るんじゃないかと思うが,VQ20DET というのは存在しない.

 つまり,シルビアは,固く守り通してきた「手頃なサイズの FR ターボ」 というアイデンティティにより,生き残る道をも閉ざしてしまったわけだ. この点が,インテグラとの大きな違いだろう. インテグラは FF であり一般乗用車とパーツ共用でき,シビックなどは兄弟車に近い.

 そう考えると,当時の思惑はともかく結果論的には, インテグラは「スポーツカーとして生き残るための策」をあらかじめ講じていたことになる. シルビアが S12 くらいの頃に(AE92 のように)FF 化していたら, きっと今回の排ガス規制のタイミングで消滅という目には遭わなかったに違いない.

 その場合どうなったか...そう,プレリュードに敗れ去って, バブル以前に消滅していただろうさ!(笑)  だからシルビアはコレでいいのだ.存在そのものが,存続を許されない条件に依存していたのだから. 「売れていれば生き残れた」かもしれないが... それこそ「情に訴える」以外に生き残る道のない存在を許容できるほど,世界は裕福ではないのだ.

 日産はいつの日かシルビアを復活させるだろう. 小型 FR スポーツというマーケットは,成熟したクルマ社会において確実なニッチとして存在するはずだ. おそらく,個人的な願望を込めれば,フェアレディ Z の弟分という形で復活するだろう. 初代シルビアは SP311「フェアレディ」にクーペボディを架装した CSP311「フェアレディ・クーペ」だった. S13 シルビアの兄弟車は,300ZX「フェアレディ Z」の弟分,「180SX」だ.

 新世代の,情に訴えなくても確固として存在できる, 羨望の対象となるスポーツカーとして復活する日を待とうじゃないの. それを望む人々がまだ沢山いるということを, メーカや世間に伝えていくことが,我々にできることなのだろうから...

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