さて,関係ないけど,先日の「食指が動く」に続く謎の表現.
「聖人君子」って表現がある. 主に否定系で使われるのが残念ってものだが, 「聖人君子じゃないんだから」とかね. 主に女の子に手を出す時の言い訳に使う(まて
で,これ,「聖人君主」って表現をよく見かける. 実にたくさん見かける.
まぁ「君主」ってのは(中国では)本来は聖人がなるものなので, ある意味間違ってはいないかもしれないが, 文脈としては「聖人でも君子でもないのだから」であって, 「聖人でも君主でも」では,多少ニュアンスが変わってしまいはしないだろうか. 文法的にも,「君子」は形容動詞として使えるけど,「君主」は名詞でしかないし.
まぁ,例によって,言葉というのは変遷するものであるから, いずれ皆が「君子」を「君主」と取り違える事により, 後者の表現が優勢になるかもしれない...が, 現状はまだその辺が曖昧な状態(やや前者が有利:287対50くらいで(笑))なので, まぁ本来的な文法上の比較も含めて, 知っておいて使うべき表現であるなぁ,と.
しかし,どうして「君子」が「君主」になったかね. 「し」より「しゅ」の方が発音しやすいかなぁ? 「同じ母音を続ける」という日本語の特性によって, 「くん」も「し」も両方ともウ行の音に統一したくなってしまうのかなぁ...