ところで,新橋の本屋で 1h ばかり時間を潰していたのだが, 「ご冗談でしょう,ファインマンさん」の1巻2巻がセットで置いてあったりして, 思わず衝動買いしてしまった(ぉ
あと「ウルトラ・ダーウィニストたちへ」という本. エルドリッジという古生物学者の著書で, あたしの好きなリチャード・ドーキンスの意見と真っ向から衝突して, ドーキンスの著書中でケチョンケチョンにされてる人だ(ぉ
ダーウィンの理論というのは 「進化とは生物に内在するものではなく方向性というものは存在しない, 全ては自然淘汰の結果として決まる」というもので, この「自然淘汰」の部分を,ヴァイスマン以後の生殖質分離を原点として, 遺伝子中心に考えるのがネオ・ダーウィニズムと呼ばれる理論だ. その極論的なものがドーキンスのもので, 全ては遺伝子中心,肉体や行動はすべて遺伝子の生存のための付加物でしかない,という, 非常に濃ゆい理論なんである.
で,エルドリッジやグールドといった古生物学者は, このドーキンスの理論に異議を唱える. ドーキンスの理論によれば, 生物には絶え間ない進化の圧力(淘汰圧)がかかっており, それゆえ常に進化しつづけているはずであるが, 実際の化石から得られる生物の進化の様相はこれとはかけ離れている. 化石によると,一千万年単位での静止状態から突如として新生物が発生する, 断続的な進化が見られるという. ドーキンスの理論は上記のような矛盾を含むダーウィニズムの誇張的解釈であり, これを「ウルトラダーウィニズム」と呼んで批判しているのだ.
しかしドーキンスはこれに反論する. 進化的に安定な状態(ESS)というものがあり, この状態の間は進化は停止しているが, ひとたび均衡状態が崩れると,次の状態へと「遷移」するように進化していく. そして再び別のESSに辿り着くと, またしばらくの静止状態に入るというわけだ.
ってーことで,ドーキンスの反論の方は読んでいたんだけど, 大元のエルドリッジの著書を読んだことがなかったんだよねー. いい機会だからゲットしてみたわけだ. 公平に読んでどっちの意見がより納得いくものであることか. たぶんあたし的にはドーキンスの方が理論的でしっくり来る(笑)