本日の読書
「クォークはチャーミング」著:シェルダン=L=グラショウ,訳:藤井昭彦(ISBN4-314-00725-7)
ノーベル賞受賞科学者であるシェルダン=L=グラショウの自伝的読み物.
電弱理論への寄与による受賞,なんだけど, この人は「チャーム・クォーク」を予言した人として有名だ. 電弱理論についてはどっちかっつーとスティーブン=ワインバーグが大きいと思われる (この回のノーベル賞は上記二名とアブドゥス=サラムの三人で山分けになっている).
自伝なので,グラショウの少年時代からの科学への嗜好などが読み物的に綴られている. しかしなんつーかこの人,行く先々で女ひっかけてばかりいる(笑)
いきなりマリファナとか始めるし. 動く原因の半分が科学で半分が女って辺り, かなり解りやすい内部ルールに徹底的に従っているのかもしれない.
ところどころで(女の話の隙間に)その時点での科学の発展が書かれている. この人は素粒子物理学の人なので,それ系の発展, つまり「電力と磁力の統合→ブラウン運動→相対性理論→量子論→場の量子論→ クォーク→量子色力学→...」と, いろいろ.
しかし,この分野についてある程度の知識をはじめから要求して書いているような文章がかなり多く見られるので, 科学の啓蒙書としては何の役にも立たない. で,科学がわからないとこの本の内容もあまり理解できないので, 自伝としても決して出来がいい物ではない(ぉ