「竹や~~竿竹~~~」の竿竹屋ってのがいる. 軽トラック(サンバーとか)に竿を積んで, 破壊衝動に駆られるほど低速で住宅地を走り抜け, 「2本で1000円.20年前のお値段です」とゆーアレだ.
でね,疑問なのは,アレって果たして売って儲かるものなのか? って事だ. 奴ら,だいたい 10軒を 1分くらいの速度で道路を走っていく (余談だがクルマの負荷も心配だ.アレ用の極低速ギアを持つ特殊車両,ではなかろうし). そうすっと道路の形状によって効率は変動するだろうけど, まぁ 1h で 600軒,1日で 5000軒ってところか.
ところで竿竹は基本的に物干し竿としての用途が主だと思うが, この用途だと,耐用年数はどれくらいになるのだろうか? ここはデータが取れずまったくの推測になるのだが, 我が家では毎日多人数の洗濯をしていて負荷が高い方だと思うが, それでも今の物干し竿は既に 5年は裕に使用している. よって,少なくとも 3年以下という事はなかろう.
すると,これを簡単のため 1000日と丸めると, ある家庭で 1000日に 1回は竿竹を買い替えるとすると, 集合が 1000宅なら毎日どこか 1軒の家が竿竹を買い替えている. という事は,件の極低速竿竹売りは, 1日に理想的には 5軒の客を得る事ができる. もちろん,竿竹購入機会のある家の奥さんがちょうど通過時に買い物に出てる等, チャンスを逃す危険性は常にある. しかしここでは竿竹屋は熟練であるため全ての機会を得るとしよう.
以上の条件で,竿竹売りは 5軒の客を得る. さて,先に述べたように我が家は比較的に竿竹の負荷が多い方だが, それでも竿竹の本数は 4本で間に合っている. 仮に 5軒が全て 4本の竿竹を必要とし,それら同時に購入するとしよう. その場合では,1日に売れる竿竹は 20本. 冒頭で触れたように,竿竹は 2本で 1000円. つまり 20本で¥10000 だ.
竿竹の原価はどれほどであろうか? これも資料がないので断定できないが, 仮にマクドナルドのハンバーガほどの原価率だとしても, 1日の儲けは¥8000を超えはしないだろう. さらに軽トラックにかかる費用もある. しかもこれらは機会損失率ゼロとしての概算であり, これより悪くなりこそすれ,良くなることは考えられないのである. さらに上の記述では「競合する同業者」という概念が全く考慮されていない. これが存在する数だけ自分の取り分が減っていくのは当然だ.
つーわけで... 竿竹屋とは,どう考えても暮らせる職業ではない. アレは一体何なのか? どこかのシンジケートが国民を監視しているのか?